ドキュメンタリー&トーク「ロヒンギャの証言 -無国籍であるということ」開催のご報告 | 国際協力NGO 世界の医療団

昨年8月の危機発生からまもなく1年、世界の医療団は危機直後からコックスバザールのキャンプに診療クリニックを開設、診療や薬の処方を行うともに、アウトリーチ(戸別訪問)や健康啓発活動を行ってきました。 なぜ健康教育が必要なのか、活動を通じてわかったことがあります。 自分の年齢がわからない人々がたくさんいました。体調が悪いことを隠す人、治療が必要にもかかわらず、病院へ行くことを頑なにためらう人もいました。 背景には慣習上の理由、個人的な理由、様々挙げられますが、更にそのまた陰に、ミャンマーでの暮らしがありました。 迫害を受けて、逃避行を経て、身体的にも精神的にも重い傷を背負い、衛生面からしてもあらゆる面で不自由なキャンプでの暮らし、それでもロヒンギャの人は言います。「命があるだけましだ」と。 ミャンマーから避難してきたロヒンギャ難民、キャンプ住民と活動をつなぐロヒンギャのボランティア、彼らから証言された言葉の数々に、支援者は驚きと衝撃を隠せずにいられませんでした。 暴力にあった、目の前で家を焼かれ、子どもが火の海に投げ込まれた、お産であっても癌であっても医療を受けることができなかった、ラップトップを持つことも許されなかった、発言することも、意見を言うこともできなかった。段階的に移動・宗教、言論の自由が侵され、医療や教育、仕事さえも奪われていく日々であったと。 それら証言を伝えること、発信することが、私たちの証言活動であると考えました。 今回のイベントは、ロヒンギャの人々の言葉をそのままに伝えること、多くの方にこの問題を知ってもらいたい、関心をもってもらいたい、そのような思いで企画しました。 世界の医療団でボランティアとして活動する勇気ある2人のロヒンギャ族の青年、彼らは真実を伝えたことでミャンマーに戻ってからの報復を恐れながらも、ロヒンギャのこれからのために事実を伝えたい、その思いだけで証言してくれました。 ロヒンギャ族の青年 2人の証言 私たち証言活動の伝えるという大きな部分を担ってくれた望月優大さんと佐藤慶一さん、そしてミャンマー・ラカイン州でのロヒンギャの人々の姿を追い続けている久保田徹さん、世界の医療団のスタッフが、彼らの言葉を伝え、その状況を語りました。

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